事例紹介

【訪問看護事例1】

最期まで住み慣れた自宅で暮らしたい夫婦と娘3人暮らしの例

ご依頼までの状況
ご利用者:70代 / 男性 疾患名:胃がん(終末期) 
妻と娘と3人暮らし。本人の意志で終末期で自宅で過ごすことを希望。ご家族は不安だが、本人が希望することはやってあげたい思いがある。しかし、介護負担や食事を摂取できていない状況、病状悪化に伴う状態変化への不安があり、訪問看護導入となる。

ご本人の希望、ご家族の希望
ご本人「病院より家の方が安心する。やっぱり家で生活するのは良い。このまま家に居たい。」ご家族「ずっと仕事とか頑張ってきた人だから、色々してあげたい。」

支援内容
定期通院されていましたが、ADL低下に伴い移乗時や受診時の家族支援困難ということもあり訪問診療導入。訪問診療医と連携を密には図り、都度状態変化に応じて指示を受け訪問看護で実施し、苦痛緩和を図りました。食事摂取の方法やおむつ交換、更衣、除圧の方法などご家族に説明し、ご家族の熱心な介護もあり大きな皮膚トラブルもなく過ごせました。

身体面・精神面の変化
終末期ケアということもあり、ADLは徐々に低下していきました。都度ケアマネージャーや主治医、他職種と連携を密に図り支援しました。介護ベッドの導入やヘルパーステーション介入時期、疾患からくる身体的苦痛を最小限にする関わりを行いました。精神面では、ご本人ご家族ともに不安の表出、軽減を図りました。療養中にキーパーソンの奥様が入院してしまった経過がありました。ご自身のことに加え奥様のことも重なり精神的な苦痛はかなり大きいものだったと思います。より一層精神面へのケアに力を注ぎました。ご本人は常に冗談を言い気丈に振る舞っていましたが、ある日ぼそっと奥様を心配する言葉がありました。傾聴することで少し表情も和らいだように見えました。私たちが関わっていく中で感じた、ある種予想になりますが、「ご家族には弱音や不安感を持つ自分を見せたくない。」と思いがあり気丈に振舞っているように思いました。その中で私たちに対し不安な気持ちを打ち明けてくれました。少しでも苦痛緩和を図れるように支持的・共感的な思いで関わりました。最期の前日に奥様が退院となり、ご本人からは「安心した。」というような表情と頷きがありました。

 

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