認知症の方への接し方として「嫌がることを強要しない」が重要です。認知症の人は、自分が嫌がることを強要されると、※周辺症状が強く出る傾向があります。逆に、自分が好む行動を続けていられるうちは、周辺症状が強く出にくい傾向があります。
※周辺症状:徘徊・多動・不潔行為・収集癖・暴言・暴力・介護への拒否。精神症状(不安・抑うつ・妄想・幻覚・誤認)などのこと
- 孤独感(ひとりぼっち感)を味わう
- 本人のペースを乱す
- 冷たくあしらわれる
- プライドを傷つけられる
ということを嫌います。上記のような接し方をすると周辺症状が強くなり、ご本人にとってもご家族にとってもつらい生活になってしまいます。
馴染みの関係を作る
人は誰でも、知らない人がそばにいると緊張して不安になります。普段から馴染み深い関係だと本人はリラックスできます。そばにいるだけではなく、お互いに話をしやすい「馴染みの関係」を形成しましょう。
孤独感を感じさせない
認知症の方が大声を出したり、うろうろと歩き回ったり、暴力を振る背景には、孤独感を感じ、不安やストレスから生じると言われています。「馴染み深い人が近くにいる」「いつも話しを聞いてくれる」と感じることで穏やかに過ごせるようになります。
本人のペースを乱さない
目をみてゆっくりお話する。焦らず焦らせずにご本人のペースに合わせる。時には「大丈夫ですよ」と声をかけることで、ご本人が安心して物事に取り組むことが出来るようになります。
プライドを傷つけない
怒られることは、誰しも嫌ですよね。認知症の方も同じです。そして認知症の記憶障害は、物事や言われたことを忘れていても、感情的な記憶は残っていると言われています。つまり怒られた事実は忘れてしまっても、怒られたことによる「屈辱的な気持ち」は覚えているのです。
反対に言えば、出来る部分はご自身で行ってもらったり、出来たことを認める、褒めるというような関わり方は、自己肯定感を高く保つことができ、ご本人の中で良い感情として残るということです。